株式投資から得られるリターンというのは、キャピタルゲインとインカムゲインの二つがあります。
そのうち、インカムゲイン、つまり配当金収益は一定の人気があり、インカムゲインを再投資することによって、複利の力を十全に生かすことができるため、長期投資に大いなるメリットがあります。
しかし、これには注意点があり、日本株でインカムゲイン目当ての再投資戦略をしてはいけないということです。
株主還元意識が低く、企業利益が不安定で個人所得も上がらない日本では、企業は簡単に減配や無配といった株主を裏切る行為を連発し、思ったようにインカムゲインで収益をあげることはできないでしょう。
資本主義が徹底しているアメリカ市場では、企業は株主のために存在しているという意識がハッキリと現れているため、SP500やNYダウに連なるような企業はどんな時であっても配当を増配し続けるのです。
その傾向が最もよく表れたのが〇〇ショックと呼ばれる株価暴落時です。
日本企業はリーマンショックやコロナショックのような暴落が起きるとすぐに配当の減配や無配転落を行い、株主をたびたび裏切り続けてきました。そのような歴史があるので日本株は信用されません。
しかし、アメリカ企業はリーマンショックやこのコロナショックで日本企業が軒並み株主を失望させる中、逆に増配を打ち出すような企業すらありました。
従業員をリストラしてでも株主に配当を出し続けるその姿勢はまさに資本主義の本来の姿であり、株主として投資するのであればアメリカ企業ほど素晴らしいところはありません。
労働者にとってはたまらないでしょうが、投資家にとっては、配当を生み出し続けるアメリカ企業こそインカムゲイン投資にふさわしいのです。