コロナウイルスにより実体経済に様々な影響が出ていますが、その中で深刻なものが雇用に関する問題です。
解雇規制が厳しい日本ですらその傾向が出ており、より資本主義の傾向が強い海外ではなおさらその意向が強いことが容易に想像できます。
資本主義の権化、株主至上主義の米国ですら配当減を容認し、医療機関支援につなげようとする動きがあるほどです。
労働者の立場から見れば雇用が大事なのはごもっともですが、出資側、つまり株主サイドからすると株主利益が一番大切です。
ではなぜ、このような動きが見受けられるかというと、長期的な株主利益の維持をするために、雇用維持という選択肢をとっているにすぎません。
優先順位はあくまでも株主還元であり、雇用は二の次です。
有能な従業員まで切り捨てることで、コロナ終息後の競争力低下やイメージダウンをすることを防ぎ、企業価値の維持創造をすることによって、長期的な企業利益を目指しているわけですね。
資本主義というシステムが続く限り、この株主>労働者という構図が変わることはありません。
そして、その傾向が最も色濃く表れるのが資本主義経済の象徴たる米国です。
一見労働者のために施策にみえたとしても、それらはすべて企業利益、ひいては株主利益に繋がってきます。
米国が崩壊するか、資本主義のシステムが大きく変わらない限り株主優位の世界は揺るがないでしょう。
そしてコロナショックはその世界を揺るがすほどには至っていないと思われます。
安心して株を買いましょう。