投資信託において最も重要なことは、銘柄選択であると勘違いしている人は多いです。
銘柄選択はもちろん重要な要素ではありますが、運用パフォーマンスに最も影響を与えるのは銘柄選択ではありません。
適切な低コスト投資信託を選択することさえできれば、それが先進国株式を対象とするものなのか、全世界株式を対象とするものなのか、米国株式を対象とするものなのか、それらのどれを選ぶかが重要ではないとは言いませんが、それよりももっと大切なことが投資にはあります。
それは、「下落相場や軟調相場でも選択した銘柄をホールドし続ける精神力」です。
投資の世界は未だに精神力がモノをいう世界です。
いかに自分の所持しているファンドに、明確な「自信」を持っており、下落したとしても手放さない「理由」がある「精神力」が強い人が勝つ世界です。
仮に、投資初心者が投資に慣れている人と同じファンド、同じ銘柄を所持したとしても、同等のリターンを得れることの方が少ないでしょう。
それは、そのファンドを持つための理解が投資初心者は不足しているからです。
なぜ自分がそのファンドを選択したのかという明確な理由がないままファンドを持ったとしても、暴落があったときに、含み損に耐えることができなくなります。そのファンドが今後上がるのか、自分の知識ではわからないからです。
含み損に耐え切れなくなった投資家は、最悪なタイミングで手持ちのファンドを売却してしまうのです。
投資信託で損をしたと言っている人のほとんどはこのパターンです。
適切な銘柄を選択できず、手数料をボったくられたなどの人もいますが、適切な銘柄を選択している限り、損をするというのは長期ではまれなことです。
自分が買った値段より安く売ることなんてあるのかと思うかもしれませんが、相場が下落しているときというのは、相場や市場に対して悲観的、ネガティブなニュースや報道ばかりがされるようになります。
そうなると、もっと損失が膨らむんじゃないかという疑心暗鬼が膨らみ、毎日が不安で押しつぶされそうになってしまいます。
その結果、不安から解放されたいという一心で、優良ファンドを選定できていたとしても、大して利益の出ていない、下手をするとマイナスであっても売却してしまうのです。
投資において大事なのは「優良ファンド」を「長期保有」することであり、長期保有するためにはそのファンドを知り、自分の精神力を鍛えることが大切なのです。
大きな下落相場が来た時にこの心構えができているかどうかが投資生活の明暗をわけるのです。
そのことを心の片隅に置いておきましょう。