株式と債券は逆相関であると言われており、この二つの資産を組み合わせることによって、成長時にも暴落時にも強い資産が作れると言われています。
ではなぜ債券は株式に逆相関するのでしょうか?
これには二つ理由があります。
まず一つ目は、債券は安全資産と見なされているからということです。
債券は買った時点での利率に応じた利息を毎年受け取ることができます。
この利息は満期まで保有していれば確実にもらうことができ、それゆえ確実なリターンを投資家は得ることができます。
景気がイケイケなときは債券の利息は微々たるものですので、投資家の資本は株式などよりリターンが高いものに流れがちですが、一旦景気の風向きが悪くなると、リターンの悪化を恐れる投資家が、自分たちの資産の「避難先」として債券を選択するのです。
景気が悪くなっても、満期保有で一定のリターンが保障されているなら現金で置いておくよりも良いという考えが生まれ、債券に資金が流入するのです。
つまり、景気が悪い=株式の価値が下がったときに、安全資産である債券に、今まで株式などに流れていた資本が流入することによって、債券価格が高騰することによって、株式が下がる=債券が上がるという図式が成り立ちます。
そしてもう一つは、金融政策によるものです。
各国は金融政策として、「利下げ」や「利上げ」を行い、インフレやデフレを調節しています。
景気が悪化すると、各国はそれ以上の景気悪化を防ごうとします。
その時に行われるのは「利下げ」であり、これは債券価格を高騰させる効果があります。
利下げ、利上げとはつまり、いわゆる金利が上がったか下がったかということです。
お金を借りる人は利息が低い方が嬉しいです。つまり、景気が悪くなると世の中に出回る金の量を増やそうと、利息を下げて人がお金を借りやすい状態を意図的に作り出しているわけです。
そしてこの利下げ利上げというのは債券価格にダイレクトに影響します。
債券の利息もこの利率の影響を受けており、例えば1年満期5%の利息の債券を1万買ったとすると、その商品は1年後には10500円の価値があるということになります。
しかし次の日に金利が10%にあがったのであれば、1年後にその商品の価値は11000円となるため、既に買ってしまった5%利息の債券を同価格で売って、買いなおした方がお得に見えます。
しかし、金利10%の状態で金利5%の債券を同価格で買ってくれる人はいません。
現時点の金利で貰える利息の差分を引いて、9500円で売ることでようやく買い手が現れます。
つまり、金利が上がると既に持っている債券の買い手がいなくなるため、債券価格は下がるのです。
これが逆、金利が下がると、債券の需要が高まり、元の価格より高値で売れることになります。
どちらにせよ、債券価格というのは景気に大きく左右されますが、景気が悪くなったときに、既に所持してこそ輝く商品と言って良いでしょう。
株式もそうですが、景気が良い時に買っても遅いです。
債券も景気が悪くなってから買っても遅いのです。
予め仕込んでおくことが大切なんですね。