1922年、アメリカのバーモンド州で生まれたロナルド・リードという男性がいました。
彼は2014年、92歳で亡くなりますが、そのとき初めて世に名前が知れ渡ることになります。
彼が亡くなったとき、彼の遺産は約10億円近くあったと言われています。
しかし、彼は大金持ちの家に生まれたわけでもなく、彼の仕事もガソリンスタンドの店員やデパートの清掃員といった低年収の労働者階級でした。
一体どうやって彼は自分の生涯年収を遥かに超える遺産を手に入れたのか?
自分の給料の一部を株式投資に充てていた
彼はコツコツと、自分に毎月支払われる決して多くない給料のうち一部を、アメリカの株式購入に充てていました。
そして、得た配当金をすべて再投資に回していました。
それ以外に資産を増やした手段はありませんでした。宝くじを当てたとか、何か大きなビジネスをやったとか、そういったことは一切していないのです。
しかし、それでも彼は莫大な資産を作り出すことができました。
しかも、彼が投資を始めたのは37歳からです。決して早すぎるスタートを切っていたというわけでもないのです。
複利の力の強烈さと、もう一つ大切なこと
ここから分かることは、複利の力の強烈さがまず挙げられます。
彼が行っていた投資法はバイ・アンド・ホールドというもので、一度買った株を決して売却しないというものです。彼は配当を出す身近な企業の株を毎月買い増し、これを実践しました。
得た利益を消費しないで再投資に回すことで、お金がお金を呼ぶ状態、いわゆる複利の力を最大限にに生かしていたということ。
彼は資産額が上がっても節約に努めた
そして、もう一つ重要なことがあると私は思っていて、彼は決して、自分の生活水準を上げなかったということがあると思います。
故ロナルドリード氏はその生涯を終えるまで、誰も10億円の資産を持っていると思わないほどの質素な生活をしていました。
車は中古の車を使い、駐車場は近くの駐車場より少し離れた安い駐車場を使うなど、その倹約ぶりが明らかになっています。
この節約という行為が、資産形成においては複利の力を得ることと同じく重要なのです。
高年収だからといって億万長者になれるわけではない
高年収はお金をたくさん貰っているわけだから、当然億万長者も多いと思われるかもしれません。
しかし、人間は金があれば使ってしまう生き物であり、貧乏な高年収の人も多く存在しています。
そのような人たちに共通するのが、自分の生活水準を周囲に合わせようとしてしまうことです。
高年収の人たちの周囲には高年収の人たちがいるので、必然的に高い生活水準が目に入ります。
それを見て対抗するように、自分も見栄を張るように生活水準を上げてしまっているのです。
結果、年収が増えたぶんだけ支出が増え、資産が一向にたまることはないのです。
節約は誰でもできるし、簡単
一方節約は、誰でもすぐに実行することができます。特に効果的なのが固定費の見直しです。
例えば携帯をキャリアから格安SIMに変える、保険を見直すなどで月々の固定費を軽く1万は浮かせることができます。
数十円安い食料を買うために車でガソリン代を使って隣町まで買いに行くとかいう訳のわからない狂った奇行は節約でもなんでもないのでやめた方がいいですが。
そしてその浮いたお金を、投資に回すのです。
自分の年収を上げることは簡単ではありませんが、節約ならば今からでもできます。
まとめ:億万長者になるには投資と節約の二本立てが必要
故ロナルドリード氏は長期投資、そして節約という二つの柱で10億近い資産を築き上げることができました。そして、それは我々にも十分再現可能な手法であるといえます。
しかし、彼は結局その10億円を自身が死ぬまで使うことはできませんでした。
金は使えなければ意味がないという否定的な向きを示す観かたも中にはあるでしょう。
しかし、あなたはロナルドリード氏ではありません。
ロナルドリード氏は、誰でも10億近い資産を作ることができる、ということを教えてくれただけにすぎません。
資産を使うかどうかの選択肢はあなたにあるのです。途中で増やすことをやめ、使ったって構いません。
しかし、このお金を増やすマインドが投資と節約の二本立てにあるということは今後生きていく上で覚えておいて損はないと私は思います。