インデックス投資は本当に楽で優秀です。
こちらは勝手に寝ているだけで世界中のプロのファンドマネージャーが鎬を削りあって利益を出しあっている平均点が勝手に取れてしまうのです。
そんなインデックスですが、日本の市場に資金を投下することはお勧めできません。
それは二つの理由からなっています。
日本市場は過去のパフォーマンスが悪い
日本のインデックスとなると日経平均やTOPIXに連動することになります。
しかし、それらの指数は1989年の時につけていた日経平均の最高値約39000を未だに上回ることができていません。
過去数年間だけを切り取るとアベノミクスの効果もあり、株価は浮揚傾向ですが、それでも最高値更新にはほど遠いのが現状です。
30年前から日本市場に投資していたとして、年間平均リターンは0.2%以下しか生まれていないのです。
大きなリスクを背負いながら平均リターンがそれしか生まれないのであれば、日本で投資が流行らず貯金が安全とみなされてしまったのも無理はないことです。
そして、この30年間大きなイノベーションも生むことができず、超高齢化社会に突入し、海外で稼げるような企業もトヨタ程度しか存在しない日本市場が再び上向くことがあるのでしょうか。
私にはもっと有望な市場があるように思えます。
株主優待という日本特有のガラパゴス制度の弊害
前述の理由はそもそも日本市場全般への投資を勧めないものでした。
そして日本インデックスを特にお勧めできない理由としてはこちらが挙げられます。
日本には主に個人投資家向けに株主優待という制度があります。
海外にはありません。日本特有のガラパゴス制度と揶揄されています。
これは単元(一定量の株の集まり)で株を所持している投資家に、企業が自社商品などのちょっとした現物プレゼントを贈るような制度となっております。
日本の個人投資家はこれを目当てに個別株投資をしている人も少なくありません。
企業も優待目当ての投資家が一定量いることを前提に、株価の下支えを目的として優待制度を取り入れているところも多いでしょう。
この優待制度は投資家にとってデメリットが数多くあり、そのうちの一つがインデックス投資のリターンには株主優待分は計上されないということです。
株主優待も企業の利益から捻出している以上、優待を配るということはその分上昇するべきだった株価上昇や貰えるはずだった配当金のリソースが優待に回されているということになります。
そして、インデックス投資ではそれらの優待分の利益が計上されません。
つまり、日本株のインデックス投資をしていると貰えるはずだった優待分損をしているのです。
インデックスはS&P500連動がおすすめ
一方、アメリカの代表的な指数であるS&P500は長期にわたって上昇するパフォーマンスを描いています。
過去30年、ITバブル崩壊、チャイナショック、リーマンショックなど様々な株価暴落がありつつも、力強く成長し連日最高値を更新しているのがS&P500なのです。
S&P500は代表的な構成銘柄として、コカ・コーラ、マクドナルドやアマゾン、アップル、グーグルなど日本にいる私たちでも馴染みのある銘柄を含んでいます。
ここが日本のインデックスと違うところで、アメリカの企業は世界で稼げる企業が揃っているのです。
数多くのイノベーションを起こし、今も力強く成長を続ける企業にまとめて投資ができる。
そして、日本の株主優待のような不条理もありません。株主にはすべて株価上昇か配当金という目に見える形で利益配分がなされます。
一昔前であれば、外国への投資は知識がないと難しいこともありました。
しかし、今はどの証券会社にも容易に外国株を買える手段が揃っています。
米国インデックスを一度試してみるのも悪くないと思いますよ。