人類の歴史を紐解いてみると、いつの時代も労働者という身分は搾取され続けてきました。
これまでの経済学は、経済成長すれば労働者の賃金が上がるので、資本家と労働者の格差は縮小すると考えられていました。
しかし、フランスの経済学者、トマ・ピケティは「R>G」という数式を打ち出します。
ピケティは20ヵ国以上における200年の財務データを長年調査していくことによって、経済成長しても格差は縮小しないという結論に達します。
この「R>G」という数式は、R=資本家が得る利益はG=労働者が得る利益よりも大きいということを表した数式です。
そして、資本家が得る利益の方が大きいので、この二者の格差は永遠に拡大していくことも意味しています。
現代は強烈な搾取を巧妙に隠されている
とはいえ、現代は前時代的なイギリス産業時代のような資本主義社会ではなく、巧妙に労働者が搾取されていると気づかない程度に薄められた資本主義となっています。
労働者の多くは搾取されながらも、毎月給料として、自分たちが生きるためのお金、そしてプラスαの賃金を得ています。
多くの労働者はその現状に満足し(文句ぐらいは言うでしょうが)、自分たちが経営者や資本家たちに搾取されていると気づくことができません。
しかし、その現状に満足しているようでは、あなたは一生豊かになることはできないし、お金を得るために一生働き続けなければいけません。
いわば、お金の奴隷になってしまうのです。
資本家側に回ることが唯一の解決策
とはいっても現代は資本主義である事実は恐らく変わることはありません。
資本家として生まれたわけでもない人たちも、この資本家に有利な資本主義というシステムをうまく使いこなさなければ一生彼らに搾取される運命になってしまいます。
そして、この状況を解決するためには、我々も「R>G」の数式のRの側に回る必要があります。
つまり、我々も資本家側に回ることが唯一、お金の奴隷から解放される解決策になります。
少しずつ少しずつ、Rの側に移動する
とはいえ、労働者である我々に多額の資本はありません。
資本家になるための資本がないのだから、資本家には回ることができない。
というのは過去の話です。
まず今の時代は、前述したとおり、労働者が搾取されていることに気づかない程度の資本主義になっています。
つまり、我々は生活に必要なお金を受け取った後で、多少は自由に使えるお金が手元に残ります。
それらのお金をどう使うかが重要です。
恐らく多数の労働者は遊興費や贅沢費などに消えていき、多少は頭が回る労働者も銀行貯金などで保管されてしまいます。
それではいつまでたっても資本家側に回ることができません。
そのようなお金の使い方をして、一生労働者が労働者側にいてほしいと願っている資本家たちの思うつぼなのです。
正解は、その多少なりとも余ったお金を使って、株式や債権、不動産といった投資に回すことです。
そして、現代は幸いなことに、多額の資金がなくても、そういった資本に投資することができます。
100円といった少額から、資本に投資することができ、その瞬間にあなたは「R>G」のR側としての一歩を踏み出すことができます。
そうすると、今度はあなたが資本家側として、労働者から搾取する側に回ることができるようになるのです。
お金の奴隷からの解放
搾取するとはいっても、最初のうちは労働して得られる額に比べはるかに少額な額しか利益を手にすることができません。
しかし、あなたがしっかりと複利を理解し、得た利益を再投資し、そして毎月の余剰資金を投入することができ、その搾取のサイクルを繰り返すことができたのなら。
いつしかあなたが労働で得らえる収入を、搾取によって得る収入が超えるのです。
つまり、労働をしなくても生きていける資本家へと変貌を遂げるのです。
そうなったのならば、あなたはもはやお金のために働く必要はなくなり、働きたければ働く、働きたくなければ働かなくていいという選択の自由が与えられるのです。
イヤイヤやっていた仕事からは解放され、あなたが本当にやりたいことができるようになる。
お金のために苦しみを耐える必要がなくなり、お金の奴隷からは解放されるのです。
それどころか、お金があなたのために働いてくれる。お金が奴隷になるのです。
そうなれば、あなたの人生はより豊かになります。
労働者から資本家側に移動すること。これが現代を、そして未来を豊かに生きる上で大事になるでしょう。