ビックマック指数やラーメン指数という言葉があります。
これは、各国で売られているビックマックやラーメンが、日本円価格でいくらなのかを割り出し、その国の経済力を測るために使われています。
ビックマックは現在、日本では約390円となっており、アメリカではなんと630円の値段をつけています。
ラーメンは日本では1000円も出せば上等なものが食べられるのに対し、アメリカでは2000円近くするのが普通です。
これらの指数において二倍近い差がついてしまっているのです。
日本の物価は安い
とはいえ、アメリカの飲食店がぼったくり行為を行っているわけではありません。
なぜならこれらの指数は、その国の総合的な購買力を示しており、彼らは高騰する原材料費や人件費の対価として正当な値段をつけているのにすぎません。
先進国の中では日本がこれらの指数において最低値をつけており、むしろ日本の物価が安いのです。
日本の物価が安いとラッキーと思う方もいるかもしれませんが、これは裏を返すと、日本だけ人件費、つまり労働者の給料が上がっていないということを意味します。
OECD(経済協力開発機構)の統計によると、この20年間、先進国はどの国も給料が上がっています。
日本だけがこの20年間、実質賃金が下がり続けているのです。
しかし企業にも、値上げをすると売れなくなるため薄給で日本人を働かせ、それを労働者が許容する土壌が備わってしまっているため、無限の負のスパイラルに陥っています。
なぜ日本の給料は安いのか?
日本では安い賃金で労働者を長時間働かせ続けることが容認されています。
それは1995年に経団連が「不景気を乗り切るための雇用の流動化」を提唱し、それを政府が後押ししたことに起因します。
雇用の流動化と聞くと聞こえはよいですが、その実情は、非正規社員をいくらでも増やせる雇用ルールにしてくれというものでした。つまり人件費の抑制です。
そして、日本は現状もっとも稼げる業界であるITに完全に出遅れてしまっています。
例えば昔は日本も検索エンジンを何社かが作ろうとしていましたが、今ではほぼGoogle一本、メールソフトもGmail、スマホはiPhone、SNSはTwitterやFacebookなどすべてアメリカのサービスです。
なぜなら海外のサービスを使った方が便利だからです。
この調子でいくと、そのうちほとんどの分野で海外のサービスを使うようになり、利益率の高い業界であるITは減る一方になります。
そうなると巻き返しは難しく、今後も日本人の給料はあがらない可能性は高いのです。
これからどうしたらよいのか?
まず、日本自身が立ち直るには、海外の優秀な人材を受け入れ、ITなどの儲かっている業種にテコを入れ巻き返す必要があります。
そしてそのためには、そのような人材にちゃんと給料を払う。
もしくは現状の中途半端に終わっている雇用の流動性を高め、あらゆる業種の人が異なる業界に自由に移動できるようにする。
そして同時に中途半端に企業に紐づいている社会保障の制度をなくすべきです。
ベーシックインカムなどの制度をとり、現状の雇用の流動性は高まらず、給料だけ安いという負のループを断ち切るべきでしょう。
しかしこれらは現状の日本を見る限り難しい。
そのため、我々は個人でできる防衛策を取らなければなりません。
すなわち、投資です。
まだ日本がギリギリ先進国という立場でいられる今のうちに、海外に投資をし、自分の資産の割合を海外のものに置き換えていく。
そうすることによって、仮に日本が没落したとしても、あなたの資産は海外の成長に合わせて成長し守られることでしょう。
本当はそんな未来は訪れてほしくありませんが、カウントダウンが迫っているように思えてなりません。