ヤフーのZホールディングスとLINEが正式に経営統合しました。
Google、Apple、Facebook、Amazonの「GAFA」と呼ばれるアメリカの巨大IT企業群や
バイドゥ、アリババ、テンセントの「BAT」と呼ばれる中国の三大IT企業が世界のIT業界を支配していることに対抗することが狙いのようです。
しかし、実際に対抗できるかどうかは厳しい見方が広がっています。
GAFAやBATとの戦力差は圧倒的
ヤフーとLINEを合わせても企業規模は三兆円ほどで、GAFAなどに比べると企業規模が1/20~1/30になります。
さらにYahoo!は海外での活動を制限されている上に、彼らの検索エンジンの実態はGoogleのシステムを使っています。
LINEも元は韓国の企業でしたが、元の韓国ですらシェアを取れておらず日本でのみ人気のアプリになっています。
この二社が統合することによって、日本国内のシェアは安定するでしょうが、世界で戦うには海外に打って出ることが必須になっています。
先進国や中国の牙城を崩すのはこの戦力では不可能といってもよく、成長市場であるタイやインドネシアといった東南アジアでのシェアを伸ばせるかがカギとなるでしょう。
統合後のサービスは未定
会見ですでに「一体となってもGAFAらに対抗するのは難しい」「追いつかなくてよく、日本のユーザーが便利に使えるサービスを作ってほしい」との声があがっており、世界に対抗できる企業になれるかどうかは疑問の余地が残ると思います。
現状日本人にしか使われていないサービスであるYahoo!とLINEですが、今後東南アジアでGAFAやBATにない魅力を提供でき、どれほどシェアを高めることができるのかにかかっているでしょう。
日本だけはサービスのシェアを死守したいという思惑があるように思えますが、iモードのときのように日本だけしか使われないガラパゴスサービスとならないかが心配です。
目下のところ、ユーザーの関心としてはYahoo!やLINEが現在提供しているサービスが統合によってどう変わるかといったところですが、両社とも統合後に検討するらしく、まだ何も決まっていないということです。
国内ユーザーとしては、PayPayやLINEPayのゆくえがどうなるのかは気になるところです。
サービスを提供するときに、無駄に規格を乱立し、ユーザビリティを一切無視し収集がつかなくなるのは日本の得意技なので、PayPayとLINEPayが統合されたとすれば現状のQRコード決済は一気に流れが決まるでしょう。
少なくとも日本を代表するIT企業であることは間違いないので、応援はしておきたいと思います。