Googleが2020年に銀行口座サービスを開始するようです。
同じくIT業界の巨頭であるAmazonも銀行業界参入を表明しており、IT業界と金融業界はますます融合が加速するものとみられます。
一方、従来型の銀行業サービスは苦戦を強いられており、日本国内のメガバンクは三社とも業績が低迷しています。
高配当な銀行株といっても、業績が低迷すれば簡単に減配を行い、また株価は下がり続けているためトータルリターンはまったくあがりません。
なぜここまで銀行は落ちぶれてしまったのでしょうか?
銀行業は三本柱で稼いでいるがいずれも低迷
銀行は以下の三項目で主に収益をあげています。
しかしいずれも近年の情勢などにより思った収益があがっておりません。
1:貸出業務による収益
銀行は利用客から預金として預かったお金を貸し出すことによって、その金利と預けた客への利息支払いの差分を利ザヤとして収益計上しています。
しかし日銀のマイナス金利政策により、貸し出しの金利は低下し、利息はほぼゼロに近い状況になっているため利ザヤは下がる一方となっています。
利用客から利息ではなく、逆に手数料を徴収しようとする案すら上がっており、相当な苦戦をしているものとみられます。
2:有価証券運用への投資
預かったお金を貸し出しても利ザヤがとれない、誰も借りてくれないため、銀行はそのお金を投資に回すこともしています。
金利がよく、リスクも低いため日本国債が投資の中心となっていましたが、やはり日銀のマイナス金利政策により日本国債も利回りはマイナスになっています。
そこで海外の債券や株式に投資をしようとする動きもあるようですが、あまりリスクをとった運用は銀行ではできないため難航しているようです。
3:その他手数料
それ以外にも銀行は様々な場面で利用客から手数料を徴収して稼いでいます。
ATMの利用や、窓口での投資信託や保険商品の販売による手数料です。
しかし、これらの銀行が販売する商品は悪質なボッタクリ商品であることが世間にバレてきています。
金融庁から直々に指導が入ったこともあり、このボッタクリビジネスでも身動きがとれなくなってきているのが実情です。
IT企業が銀行業に参入
このように従来型の銀行業が苦戦を強いられる一方、IT企業が送金サービスや決済サービスなど、従来型の銀行の独占分野だった項目に、新しいテクノロジーを用いて参入し、銀行のシェアを奪い始めています。
この流れにうまく乗り、変革ができない銀行業はさらなる衰退は必至となります。
事実、地銀や信金などは将来的には全くなくなってしまうという予想もたてられています。
同時に衰退産業である銀行株は、高利回りだとしても株価が下がり続けるため全く意味がありません。
世の中には割安だといって飛びつく人もいますが、割安株というのはちゃんと上がる見込みがあるにも関わらず安価になっている株のことを指します。
銀行株などに手を出してしまうと、自分の資金を長期間塩漬けにしたあげく、全く儲かっていなかったなどということになるでしょう。