株主優待を重視している日本人投資家はとても多いです。
日本人の個人投資家向けに実施されたアンケート調査の結果によると、6割近くの個人投資家は株主優待の有無によって投資判断を変えているとのことです。
さらに、魅力的な株主優待はクオカードなどの金券との結果も出ていました。
しかしハッキリ言ってしまえば株主優待は投資家にとってデメリットしかありません。
優待は本来のリターンを削って捻出している
そもそも企業の株主優待はどこから費用を捻出しているのでしょうか?
答えは企業の利益です。
そして、企業の利益とは株主のものです。
本来は「配当金」や「自社株買い」などによって、株主に直接還元されるべき利益が「株主優待」という形に変化して投資家に届いているのです。
その企業独自の商品などならばともかく、企業とまったく関係のないクオカードなどの金券、商品券などは本当にコストの無駄と言い切れます。
これらの株主優待を用意し、各個人投資家に配布するためにはコストがかかります。配送コストや人件コスト、商品調達コストなどが当然かかります。
これらのコストを賄う費用はどこから出ているのでしょう?
答えは企業の利益です。当然コストは利益から支払われ、企業の利益が目減りします。
個人投資家は株主優待を貰いたいがために、企業の利益すなわり投資家の利益を自ら圧迫しているという愚かな行いをしているのです。
必要のない優待を貰うとさらにリターンが激減する
しかもクオカードなどの金券や商品券は必要のない場合、金券ショップなどで換金を行います。
換金を行った場合当然ですが額面よりも低い価格での売却となります。
自分には不要だった株主優待の場合100%損をしています。
直接配当金という形で貰っていれば、100%貰えたはずのリターンを自ら放棄し、様々なコストや売却時などで目減りした額しかもらえていないのにも関わらず、「株主優待」という形に変わって送付されてくるものに騙されて満足してしまっているのが日本の個人投資家の現状です。
何度も言いますが株主優待は投資家にとっては損です。
株主の利益は現金、もしくは株価上昇として恩恵をもらうべきなのです。
現金や株価上昇であれば無駄が発生することは絶対にありません。
現金であれば使い道は自分が自由に決めることができます。
日本企業は株主優待をやめない
しかし企業は株主優待をやめることはないでしょう。
それは日本の個人投資家が冒頭のアンケートでもわかるように、株主優待を重視しているからです。
実際のリターンは激減しているにも拘らず、「なんか得をした感」によって騙されている個人投資家繋ぎとめるために株主優待という合理的ではない行為が有効であることを知っているからです。
しかしそれはとても健全とは言えません。
合理的なリターンを追求するなら米国株
株主優待という制度が一般化しているのは日本だけです。
ガラパゴス制度と揶揄されており外国人投資家の評判もすごぶる悪いです。
合理的なリターンを追求するのであればやはり米国株一択となるでしょう。
株主優待という謎制度もなく、30年以上連続増配を続ける企業の数も50社以上あり、株主のことをよく考えている市場です。
日本には30年以上連続増配している企業はありません。
力強く株価も上昇を今もなお続けており、投資家は日本株など見切りをつけて米国株に移行するべきなのです。